木田金次郎の室内制作
11月11日(木)~ 2022年6月26日(日)
木田金次郎(1893-1962)は生涯を通じて様々なモティーフを描いてきましたが、冬は屋外での風景画の制作を行わずに、室内で花や果物といった静物画の制作を行っていました。岩内の冬は、海から吹き付ける強い西風が日本海を荒れさせるきびしいものです。現場主義を貫いていた木田だからこそ、冬は室内での制作や思索の時間にあてていました。 「画境は冬に進む」と木田が文子夫人に語ったのも、冬は外に出ず思索の時間が長くなるからと、文子夫人は回想しています(「夫・金次郎の思い出」『朝日新聞』1979年8月15日)。 今回の展覧会では、花や果物など、室内で制作された作品に注目し、風景画だけではない、もうひとつの木田の魅力を探ります。初期から晩年にいたる作品から、画家が思索した軌跡をたどり、制作の神髄に迫ります。風景画とはまた異なる魅力をもつ室内制作の作品。木田の制作について、想いを巡らせる機会になれば幸いです。