開館15周年記念 特別展示
木田金次郎美術館は今年、開館15周年を迎えます。
岩内で生まれ育ち、描き続けてきた木田金次郎(1893-1962)は、岩内に住む者、縁がある者にとって、誇りを持って認識される存在です。そして、岩内に根差した制作を重ねた姿は、内外の多くの人の心を打ち、描かれた作品は、今なお、向き合った多くの人の心をとらえています。
木田金次郎美術館では、これまでの活動を通じて木田金次郎の画業への研究を深めて参りました。
多くの作品所蔵家のご協力をいただき、新たな作品についての発見ができ、「木田金次郎の交流圏」といった作家像の追究、ひいては木田が岩内で描き続けた意味を、作品を通じて紹介することができました。
開館15周年を記念した特別展示として、今回は、木田の画業を支え続けた北海道銀行初代頭取・島本融の眼を通した北海道銀行のコレクションを紹介いたします。島本融(1904-1976)は、戦後設立された北海道銀行の初代頭取として活躍する一方、地域に根差した文化の醸成に心血を注ぎ、木田の個展を企画するなどの支援を重ねた人物です。
島本の木田への支援のかたちは、2006(平成18)年に「島本融の眼」展(北海道銀行創立55周年記念事業)として、当館で紹介いたしました。今回は、島本が木田をはじめとする北海道内外の作家に暖かい眼を向けていた姿を、2年後に60周年を迎える北海道銀行に残る島本によるコレクションを中心に紹介いたします。
北海道で息づいた文化の芽と、島本の地域文化を見つめる眼差しの意義を「コレクションの眼」を通じて探ります。
島本が求めた「北海道的なもの」。深いご縁をいただいた岩内から発信いたします。