没後50年 木田金次郎と中谷宇吉郎


イベント詳細


故郷である岩内で描き続けた木田金次郎(1893-1962)は今年没後50年を迎えます。その画業は、開館から18年を迎えた木田金次郎美術館の活動を通じて、多くの方に親しまれて参りました。
  木田と同じく、今年没後50年を迎えたひとりに、中谷宇吉郎(1900-1962)がおります。中谷は、1930(昭和5)年の北海道大学理学部創設の際に助教授として赴任し、以後、北大教授として雪の研究を続けた科学者です。世界で初めて人工雪の形成に成功するなど、「雪博士」としての業績は、世界的に知られています。また、中谷は師である寺田寅彦と同様、優れた随筆家としても広く知られており、研究対象の雪のみならず、幅広い視野で文章をしたためています。
  中谷は氷雪に関する戦時研究をニセコで行うなど、後志地方との縁も深く、この地域に親しまれてきた一面も持ちます。
  木田と中谷は、共著による随筆集『北海道』(1960年・中外書房)を刊行しています。
  木田は、自身の挿絵を交えて北海道各地の風景を綴り、中谷も北海道と雪との関わりなどについて、写真や図版を交えて記しています。
  今回の展覧会では、ふたりを結ぶこの本を中心に据えて、ともに北海道に根差した活動を振り返ります。初公開となる木田の挿絵原画や、書画も手がけた中谷の絵画作品など、ゆかりの地・後志で、没後50年を迎える今、振り返ります。
  雪と氷に覆われる季節に、芸術と科学に触れる機会となれば幸いです。

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