開館15周年記念 コレクション再発見
春の企画展「野と山の木田金次郎」を開催いたします。
木田金次郎美術館は、2009(平成21)年度、開館15周年を迎えます。
木田金次郎(1893-1962)の故郷であり、制作場所にある当館は、これまでの活動を通じて、多くの方のご理解とご協力を得て、コレクションの充実を見るとともに、木田金次郎の様々な姿を発信し続けて参りました。
開館15周年の今年度は、年間を通じて「コレクション再発見」として、木田金次郎美術館のコレクションを通覧できる機会とし、作品のモティーフ別に展覧会を行います。
第一弾の春は、木田の画業の出発点となった、野と山をモティーフとした作品を中心に紹介いたします。
木田が青年期に有島武郎と出会い、絵の道に進んだ時、描いていたのは野と山でした。
その姿は有島の小説「生れ出づる悩み」にも描かれています。のちにモティーフは海へも広がりますが、野と山は、木田にとって生涯をかけて取り組んだモティーフといえましょう。
若き日の木田は、有島に当てた手紙の中で、「山ガ地上カラ空へモレアガッテイルヨウニ描イテミタイ」(1917年10月「生れ出づる悩み」より)と記しています。
今回の展覧会では、画業を通じて取り組んだ「モレアガル山」への到達過程をコレクションを通じて追究いたします。
この展覧会をはじめとして、木田金次郎の画業の全貌を知る機会としていただければ幸いです。