木田金次郎(1893~1962)は本年、生誕120年を迎えます。
故郷・岩内に腰を据え、制作を続けてきたその姿勢と作品は、今なお多くの人たちを惹きつけてやみません。
これまで当館では、収蔵作品を通じて、また、作品所蔵者の皆さまからご協力をいただきながら、木田金次郎の画業を紹介して参りました。開館から19年目を迎える今日まで、多くの作品が失われた、1954(昭和29)年の岩内大火以前に制作された作品も含め、画業の全体像をかなり見通せるまでになりました。
このたびの展覧会は、木田の作品を、一年12カ月の制作月に注目して紹介する初めての試みです。岩内に住まい、岩内周辺の自然に取り組んできた木田が、どのような制作スタイルをとってきたかを眺めてみる機会です。
月ごとに木田の制作をたどることで見えてくるもの。この岩内の風土ともにあった画家の姿を感じていただければ幸いです。